【座談会】BXデザイナーが語るLINE Biz Partner Programのリデザイン
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【座談会】BXデザイナーが語るLINE Biz Partner Programのリデザイン

こんにちは、LINE CREATIVE CENTERです。今年リデザインが行われたLINE Biz Partner Programについて、BXデザイナーの3名にインタビューしました。

BXデザイナーについての詳しい記事はこちらをご参照ください。

参加メンバー紹介


--今日はよろしくお願いします。自己紹介をお願いします。

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福田(写真上段左):BXデザイン3チームの福田です。現在はマネージャーをしていますが、このプロジェクト担当時はデザイナーとして制作業務のリードを任せていただき、デザインとディレクションを行いました。

田中(写真上段右):BXデザイン2チームの田中です。今回のプロジェクトでは、オンラインでのデザイン作業に加えて、ステージも含むオフラインツール類の制作進行、制作物の撮影ディレクション等、オンオフ両方の業務に対応しました。

Yeojin(写真下段左):BXデザイン2チームのYeojinと申します。今回のプロジェクトでは始めは全体的なブランディングに参加し、認定バッジのデザインを担当しました。私は在宅勤務のため、オンライン上の制作物のデザイン業務を中心に進めました。

--そして、今日は依頼側の立場として宮後さんに助っ人に来ていただきました。

宮後(写真下段右):クリエイティブコミュニケーションチームの宮後です。今年からクリエイティブセンターにジョインして、note編集部のメンバーです。異動前は広告・法人事業本部のイベントマーケティングチームでイベントの企画・運営を担当していましたので、 LINE Biz Partner Program・Partner AwardではBXデザイン室にデザイン依頼をする立場でした。


LINE Biz Partner ProgramとPartner Award

-- LINE Biz Partner ProgramとPartner Awardについて教えてください。

宮後:LINE Biz Partner Programは、LINEが提供する各種法人向けサービスの拡販および機能追加・改善を推進することを目的に導入され、「Sales Partner」「Technology Partner」「Planning Partner」の各カテゴリーにおいて、広告代理店やサービスデベロッパーを認定するプログラムです。

Partner Awardは、2018年から現在の形式で実施され、6回目の開催となる「LINE Biz Partner Award 2021」では、「Sales Partner」部門の「Sales Partner」「SMB Sales Partner」「Best Cross Award」の3種において表彰が行われました。2019年まではパートナー企業をアワード会場に招待してオフラインで開催していましたが、今回は新型コロナウイルスの影響もあり、初めてのオンライン開催となりました。

LINE Biz Partner Programの詳細はこちら
https://www.linebiz.com/jp/partner/

--今年は大きなリデザインをおこなったそうですが、その背景を教えてください。

宮後:2021年は、「LINE Biz Partner Program」の制度自体に大きな変更があったため、VIやパートナー認定ロゴのリデザインをお願いしました。
特に認定ロゴに関しては、パートナー企業のリリースやLP、名刺やメールの署名にも使用されるため、パートナー企業を担当する営業チームにもデザインのヒアリングを行い、改善点を洗い出しました。
「いつ、なにを受賞したか分かりにくい」という声があったため、「らしさがあり、誰が見ても分かりやすく、ロゴ単体でも意味が伝わる」といった要望をお伝えしました。

Partner Awardのイベントデザインは、毎回BXデザイン室に依頼をしています。依頼内容としては、イベントに関わるグラフィック、プロダクト、スペース、Webデザインなど多岐にわたり、他イベントと比べても制作物が多いことが特徴です。基本的にはこれまでのデザインを継続することを前提としていますが、プログラムの内容や表彰項目に変更がある場合はデザインを改変しています。

リデザインの課題と解決方法

--プログラム制度の変更に合わせてデザインも変化させる必要があったんですね。では、今回デザインするうえでの課題とその解決方法を教えてください。

福田:この認定プログラムは法人向けサービスの拡販を主な目的とした取り組みです。言い換えれば、認定されたパートナー企業を通じてサービス利用者を増やすことがゴールとなります。つまり、サービス利用を検討する事業者にとって理解しやすいデザインシステムでなければなりません。このことから見えてきた今回の課題は2つです。1つ目は「複雑な情報をわかりやすく整理して伝えること」、2つ目は「プログラムの認知を高めること」でした。

まず1つ目の課題についてご説明します。
事業者が事業の課題に合わせて相談相手となる代理店を選ぶ時、大きな役割を果たすのが認定バッジです。なぜなら認定バッジには「LINEの〇〇Partnerである」という情報以外に「いつ受賞したのか」「どのランクを受賞したのか」というパートナー選びに必要な情報が集約されているからです。そこで、わかりやすいデザイン実現への第一歩として、事業部と連携しながら表記したい情報に優先順位をつけて必要最低限に絞り込む情報整理を行いました。認定バッジの用途は様々ですが、名刺に印刷する場合に1番小さく表記されるため、1cm角程度で使用しても必要な情報が無理なく読み取れるようにデザインしています。

そして、プログラムの認知向上という2つ目の課題には、関連する制作物で同一のデザインエレメントを適応することで対応しました。例えばトロフィーは、認定バッジ同様に受賞企業の広報・営業活動で広く活用されるので、認定バッジをそのまま立体にするような考え方でエレメントを活用して、それぞれを別の場所で見かけても同一のパートナーであると認識しやすくしています。アワードのキービジュアルではこのエレメントを説明するような表現を採用して、全体像に納得感をもたらす演出をしています。こういった工夫によって、VIとして一貫性が高まり、プログラムの認知向上に貢献できたと考えています。

ブランディングとビジュアルのポイント

--認知向上を目指すうえで、ブランディングが非常に大事になってくると思います。ブランディングテーマについてはどのように決めましたか?

Yeojin:ブランディングを開始する際、まずはLINEとパートナーの連携や協力によりサービスを導入した事業者のビジネスが広く拡張されるという構図を視覚的に表現することで、認定パートナーの存在意義を示すVIにしたいと考えました。

そこで「Connect」と「Expand」をコンセプトに2つの正方形が融合した表現で「LINE/パートナー企業/事業者」3者の関係性を視覚化しました。さらに、プロジェクトが目指す方向性「Simple/Smart/Reliable」というキーワードから、造形として記憶しやすい形状に発展させて1つの象徴的なデザインエレメントを導き出しました。認定バッジやトロフィーといった露出度の高いアイテムにもこのデザインエレメントを適応することにより一貫したVIを確立することができました。

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--他にはどんなアイテムを制作したのでしょうか?各アイテムのデザインポイントをくわしく教えてください。

福田:まず最初に「LINE Biz Partner Program」でパートナーに認定された企業に送られる認定バッジやトロフィーをデザインしました。次に「LINE Biz Partner Award 2021」のロゴ、キービジュアル等、アワードに関する制作物に取り掛かりました。キービジュアル決定後、イベント告知のためのメールバナーや招待状、オンライン配信用の視聴サイトのデザインやノベルティを制作しました。最後に、イベントの運営・美術施工を担当いただいた協力会社様と協業してライブ配信のためのステージデザインを行いました。

〜LINE Biz Partner Program〜

認定バッジ
福田:認定バッジは各企業のWebサイトや名刺、営業ツール等で幅広く活用されるため、利用方法を示したガイドラインも制作しています。

田中:小さい媒体での使用でも「LINEの〇〇Partnerである」「いつ受賞したのか」「どのランクを受賞したのか」という必要最低限の情報を読みやすいようレイアウトしました。

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トロフィー

田中:認定バッジの印象を十分に担保しつつ、上質な感触になるよう、サイズや材質にこだわりました。
特にダイヤモンドトロフィーは、裏面にホログラムを使用することで、認定バッジと同じブルーを使用しながらダイヤモンドの複雑な輝きを表現して、リッチな印象に仕上げています。

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〜LINE Biz Partner Award 2021〜


ロゴ・キービジュアル
田中:認定バッジのスタイルをもとに、LINEとパートナー企業様を融合したイメージのマルチカラーを使用して、企業間の「連携・協力・拡散」を表現しました。

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配信用Webサイト

田中:キービジュアルを際立たせながら、イベント当日への期待を高めるよう、マルチカラー背景を配してAwardの空気感を表現しています。

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ステージ
田中:ステージ中央のパネル以外を全てホワイトで統一し、視聴される方の視線を登壇者と中央のスライドに安定させました。サイドパネルでは、ブルーとグリーンのライティングでキービジュアルを表現し、イベントの特別感を演出しています。パートナー表彰のタイミングではステージ背後のジョーゼットにブルーとグリーンのライティングが投影され、プレゼン時よりも更にドラマチックな瞬間になるよう設定しました。

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ノベルティ
福田:アワードの招待状とノベルティをセットにして郵送するために、オリジナルボックスを制作したのは今回ならではの取り組みでした。

田中:シンプルにロゴをあしらったボックスを開けると、メッセージカードによってキービジュアルが印象付けられます。カードのビジュアルと裏面の案内に注目していただくため、格納したギフトはすべてグレー1色でフラットに仕上げました。

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オンラインイベントをデザインするということ

--今年のPartner Awardはオンライン開催でしたが、オンラインという点で工夫した点はありましたか?

Yeojin:実はプロジェクトが始まった時点では、オンライン+オフラインでのハイブリッド開催を計画していたんですが、新型コロナウィルスの影響により施行直前にオンライン開催に切り替えることになりました。 実際にステージがある状況で、 それに合った取り組みが必要でした。 発表者の様子をリアルタイムで伝えて、その情報を整理することが重要でした。 それに合ったテンプレートを作成し、どうすれば分かりやすく情報を伝えられるかを特に意識して作成しました。また、リアルタイムの映像はWebで構成されるため、Webデザインとの調和も重要となります。このように多方面を考慮してデザイン作業を進めました。

--完全オンラインでの開催は施行直前での決定だったんですね!BXデザイナーの皆さんもリモートワークだったと思いますが、オンライン上でのデザイン作業はどうでしたか?

福田:プロジェクト開始時にはすでに在宅勤務を始めてから一定の時間が経っていて、オンラインでの制作や共同作業には特に問題はありませんでした。プロジェクトメンバー間ではLINEやZoomで素早くコミュニケーションが取れるので、常にデザインアイデアや進行状況を共有して認識を合わせていました。トロフィーのサンプルチェックやイベント当日のステージデザイン確認など、オンラインだけでは難しい現物チェックが必要な作業もあり、そういった場合は出社可能なメンバーが対応するなど、役割を分担して進行しました。

Yeojin:在宅勤務のため物理的な制約があるのではないかと少し懸念していましたが、私はオンライン上で必要な制作物を担当し、他のメンバーはオフライン制作物を担当するなど分業することで最後まで問題なく進行することができました! 今後もオンラインイベントが増えていくと思うので、グローバルなチームでのデザイン作業は今回の経験が参考になれば幸いです。

--オンラインでのデザイン業務のいい事例になりましたね。今回のプロジェクトでは協力会社とのやりとりもあったと思いますが、どのように進めましたか?

田中:ステージと配信用Webページ、トロフィー、ノベルティそれぞれ制作物ごとに協力会社様との協業だったため、進行には注意が必要でした。

ステージ
会場の確認の際に実際に人に並んでいただき、サイズ感やトロフィー台の配置などをすり合わせました。会場にはスクリーン左右の壁面装飾など、デザインが散漫になる要素もありましたが、こちらの希望を丁寧に伝え、ジョーゼットでカバーアップしてシンプルにしたり、効果的な照明を入れるなどで問題解決ができました。
また、プロジェクト途中でオンライン開催に切り替わったため、カメラの配置やカット割り等のイメージを適宜共有し、配信映像のクオリティを上げていきました。

Webページ
本来はUIデザインの領域ですがトンマナを明確に伝えるため、キービジュアルを引き立たせたページトップのイメージだけを制作・共有して、迅速に反映いただきました。

トロフィー
制作イメージを明確に伝えるため、3DCGを用いて形状やクオリティの希望を共有しながらご相談しました。その結果、協力会社様からも詳細な提案を受けることができ、期待を上回るクオリティで納品いただくことができました。

ノベルティ
こちらも発注前に3DCGやデザインデータを用いて制作イメージの検証・共有を繰り返しました。現物のテストでは印刷するキービジュアルのカラーを重点的にチェックし、他のツール類やWebページなどとの見え方を統一しました。カードとボックスは加工を最低限にしつつも質感にこだわり、中のギフトを取り出しやすい形状となるよう設計も工夫いただきました。
協力会社様との綿密な協議の中で、予算用途の優先順位をつけたり、各ツールのカラーを揃えて統一感を出していくことで、制作物全体のクオリティアップに繋げられたと思います。


パンデミックの中、そして大きな課題に向き合って学んだこと

--最後に、 LINE Biz Partner Program のリデザインとPartner Awardのプロジェクトで得た学び・気付きを教えてください。

福田:伝えるべき情報を整理整頓することがデザイナーの役割だと思うことがよくありますが、まさに今回のプロジェクトでは整理整頓が第一課題となり、そのための事前準備の大切さを再認識したプロジェクトでした。情報の取捨選択が適切であってこそアウトプットのクオリティも高まり、結果的に機能的なデザインになるということを改めて感じました。制作作業を始める前に、まずは素材が最適か疑うことが重要です。

田中:このパンデミックの状況下ですので、プロジェクト進行中は異例の変化やさまざまな問題に直面しましたが、プロジェクトメンバーのみなさんが柔軟に対応していたのが印象的でした。今後もこういった状況下での業務が想定されますが、変化に対してフレキシブルな姿勢で取り組めれば、一層良い結果を得られると思います。

業務内容については、リモート環境においては特に、オフラインの制作物はクオリティ管理が困難なので、事前の調整・交渉・出し戻しなどに、より多くのリソースが必要だと改めて感じました。

Yeojin:状況に応じた柔軟な対応が必要なプロジェクトだったと思います。日々状況が変わっていくパンデミックの状況はプロジェクトにも影響がありました。 社会的状況を踏まえ、デザインにも変化があることを意識してチャレンジしていくことが重要だと思います。

--情報整理と状況に合わせた柔軟な姿勢がプロジェクトの成功につながったんですね!本日はありがとうございました。

4名にお話をお伺いしましたが、いかがでしたでしょうか。LINEデザイナーの特徴として、頼まれたデザインをただ作るのではなく、リサーチや課題整理もデザイナーの仕事と捉えているところがあると思います。

今回のプロジェクトでは、プログラム自体の大きな変更と元々抱えていた課題、そしてPartner Awardの開催直前まで状況が読めない新型コロナウィルスの感染状況と、多くの壁があったと思います。一つ一つ整理しながら一貫性を持った世界観を作り上げる仕事は、LINEのBXデザイナーの醍醐味ではないかと感じました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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